伝統を受け継ぐ流儀 「刺繍打敷の技」

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先日、京都へ行った折に、久しぶりに刺繍打敷の工房「和光舎」の三条店に立ち寄った。
以前、紹介したことのある京都の刺繍工房である。全国でも珍しい刺繍専門の修復事業を手掛けている。工房は年間約100枚以上の修復依頼があり、100年、200年前に作られた古い刺繍を中心に修理修復作業を行っている。

先日伺ったときは、ある寺院の本堂に掛けてあった孔雀の刺繡入りの敷物を修復中だった。この敷物(写真)は120年ぶりの修復ということだった。孔雀が羽を広げた刺繍もの。孔雀の本体や羽の部分で修復が必要なところは、その場の色に併せ新しい絹糸(各色)でひと針ひと針手刺し補正していく。そのまま使える部分は切り取り補修し、その部分を重ねつなぎ合わせていく気の遠くなる作業である。

平場で置かれてあるのを見るだけでも、その迫力はすごい。日本の絹糸を使った職人技の妙技としか言いようがない。むかしのモノを残し伝えていくには職人の技と同様に、当時のその刺繍情報をしっかり理解することが肝心。それをベースに伝え継ぐ熱い想いをもって臨まなれれば、これから100年、200年、それ以上の年月に耐えるモノを作ることはできない。それが伝統を受け継ぎ活躍している方々の仕事の流儀に違いない。

レポート&写真/ 渡邉雄二
場所/ 和光舎三条店