初冬に想う。雁が音の渋さが染みる 【煎茶稽古追想】

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湯冷ましを雁が音(茶葉)にかからないようにゆっくりと注ぐ。1煎目のまろやかさが、2煎目には渋さが増し少し引き締まる。そして3煎目はキレが抜けていく。

昨夜の稽古のお題は、李白の「白鷺鷥(はくろじ)」。漢詩や墨絵に登場する白鷺は「男」を比喩する。それも美しい男性の代名詞である。今回のこの漢詩は、李白が友人の男性の悲哀を詠んだものとされている。

画像1

‏白鷺拳一足
‏月明秋水寒‏
‏人驚遠飛去‏
‏直向使君灘

‏[現代訳]
片足で立つ白い鷺
‏月は明るく 秋の川の流れは冷たい
‏人影に驚き 白鷺は遠くへ飛び去り
‏まっすぐに 使君灘へ向かっていく

そしてもう一句

白鷺下秋水
孤飛如墜霜
心閑且未去
独立沙洲旁

[現代訳]
白鷺が秋の水におりてくる。
1羽で飛ぶさまは、霜がおちてくるみたい。
心をしずめてしばらく立ち去らない。
ひとりで砂の中洲のそばに立っている。

画像2

冬到来に、男の悲哀を感じさせられる。そして、雁が音の渋さが心に染みる。

リポート&写真/ 渡邉雄二
トップ写真/ 白鷺画像より転載
場所/ 文人会一茶庵