向源寺の国宝 十一面観音像に魅了される

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仏画曼荼羅アートの佛日寺教室に参加している方の中で、趣味で十数年仏像を彫っている方がいる。先日、その彫っている仏像を持参していただいた。一つは金剛力士像、そしてもう一つが十一面観音像。
持参していただいた仏像(写真)は、滋賀県長浜市にある向源寺(こうげんじ/以前は渡岸寺と呼ばれていた)にある国宝の十一面観音立像を見本に製作されたものである。
「まだまだ人に見せるのは恥ずかしいですが」とおっしゃるが、なかなかの出来映えに驚かされた。向源寺にあるものは仏像頭部の後ろに暴悪大笑相の顔があるのが特徴で、それも見事に反映されていた。

仏画十一面2
トップの写真と上の仏像は、仏画曼荼羅アートの生徒さんの作品

持参していただいた仏像を見ながら、以前に向源寺の十一面観音像など、いくつかの仏像を見て回ったことを思い出した。
全国で、国宝の十一面観音菩薩は7像ある。その一つが、長浜市にある向源寺の観音像である。十一面観音は、頭上に十または十一の小面をもち、十一の観音の働きを一身に具現したものであるとされている。向源寺の観音像は、頭の上にある菩薩相と後ろに暴悪大笑相なるお顔が掘られてあるのが特徴で、密教像特有のインドの仏像の感じを伝えていると言われている。
さらに、十一面観音像の魅力は立ち姿の造形美である。見てのとおり、腰を横に振ってくねらせているところが美しいと言われている。性別は問わないが、女性感あふれている仏像には間違いない。

向源寺から車で15分ほどのところに「石道寺(しゃくどうじ)」というお寺がある。ここには十一面観音菩薩は三体あり、その一つが重要文化財のケヤキ一木造りの観音像。唇に鮮やかな紅がほどこされた可憐な姿が目を惹く。

国宝や重要文化財の数では、滋賀県は東京、京都、奈良に次いで4番目に多い。それは諸説あるだろうが、木材が豊富だったこと、そして木材の乾燥や保存に適した地域だったことが一番大きいと言われている。さらに、京都や奈良に近いということも大きな理由のようだ。
コロナ終息した折は、ぜひ湖東、湖北、湖西の探訪の旅を楽しみたいものである。

石道寺十一面観音

7体の国宝十一面観音像がある寺院

向源寺 滋賀県
六波羅蜜寺 京都府
観音寺 京都府
法華寺 奈良県
聖林寺 奈良県
室生寺 奈良県
道明寺 大阪府

リポート & 写真 / 渡邉雄二
向源寺・石道寺の写真 / ネットフリー画像より転載