祇園祭のもう一つの祭典。山鉾巡行を支える「作事三方」の人と技 【祇園祭シリーズ〈縄がらみ〉】

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昨日、祇園祭を見に行ってきた。
通常なら7月17日は、前祭りの山鉾巡行の日。しかしながら、新型コロナウィルスで昨年、今年は中止。その代わりに山鉾町の代表者が徒歩で八坂神社の四条御旅所を目指し「拝礼行列」を行った。

通常17日は、山鉾巡行のあとすぐに山鉾は解体され後祭りにつなげていくのだが、今年はこの日、車輪とタペストリーが外され、翌日の18日に一斉に山鉾が解体されていく。その山鉾の骨組みがむき出しになり、山鉾を支える祇園祭ならではの伝統技術が見えてきた。
コロナ禍において祇園祭は中止と言われた中で、山鉾を建てるのは組み立て技術の伝承を欠かさず続けることがもっとも大きな理由、と関係者は言う。

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山鉾建ての作り方を大まかにいうと、柱を重ねそれに縄をかけ締めていく縄がらみ作業を「手伝い方」といい、天井や床などを組み立てる大工仕事を「大工方」という。そして、山鉾を支える車輪を担当するのが「車方」。大きくこの3つに分かれ「作事三方」という。
山鉾建ては3日間かけて組み建てられるが、その前半が「手伝い方」の作業である。
三方共に巡行を支える、専門技能を持った技術者集団がいる。

今回、紹介するのが縄がらみ。蝶と称される縄がらみは、10t以上ある長刀鉾には両側に7本ずつあり、正面の結び方を特に「雄蝶」(写真)という。強度だけではなく見栄えも大事なことのようである。山鉾建てでは吉例として奇数という決まりがあり、5本の山鉾もあるが、どの山鉾でも毎年寸分違わぬ形に組みあがる。

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雄蝶をモチーフにした縄がらみ7本締め

写真の下方の縄がらみは海老と称される部分。構造上の必然性はなく、装飾としての意味合いが強いようである。縄がらみが作れるようになるのに少なくとも10年はかかるようだ。
伝統文化を育む歴史背景や神事に加え、それを司る山鉾や神輿など、そしてそれらを作り操る方法や人があってこその文化継承である。
今回、祇園祭で見た “人の力” “匠の技”が、もう一つの祇園祭の祭典のように思えた。

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リポート & 写真 / 渡邉雄二

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