刺繍打敷の工房で、日本刺繍の製作現場を見せていただいた。お寺でよく見かける、卓の天板の下にはさむ敷物。この敷物の修復している、京都ならではの工房、和光舎の三条店におじゃました。
大きなモノはパーツごとに刺し、それを一枚の厚めの布地にまとめる。写真のものがそうである。同工房は修復がメイン、長年使うと糸が擦れ切れてしまうのでお寺からの修復の依頼が多い。たまに祇園祭や時代祭りなどの刺繍美術品などの修復も手がけている。
この和光舎は、僧侶が着る法衣や布物をクリーニング、そして修復をする、いわゆる京都ならではの寺院とともに生き継がれている会社である。
その業務の一つが、全国でも珍しい刺繍専門の修復事業。京都刺繍修復工房として別事業で運営されている。工房は年間約100枚以上の修復依頼があり、100年、200年前に作られた古い刺繍を中心に修理修復作業を行っている。ひと針ひと針刺す作業は気が遠くなる。同工房では、それをコツコツと丁寧に仕上げ、昔からの技法で刺繍を通し伝統文化を守り続けている。
その刺繍の技術は宝物である。そのための技術者育成は企業として最大の役割であり、企業を存続させていく何よりの財産になる。
リポート & 写真 / 渡邉雄二
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