清酒に菊花弁と茶葉を混ぜた、本来の「お屠蘇」を堪能【稽古追想】

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お屠蘇 茶葉

今年の、中華系のお正月にあたる「春節」は2月12日から17日までの7日間。今日が最期の日になる。
中国では、日本同様に春節には「お屠蘇(おとそ)」を飲む習慣があるようだ。お屠蘇の習慣はもちろん中国から日本に伝わったものである。古代中国では、悪魔を退治するという意味から調合された薬草を酒に浸して飲んでいた。それが現在に伝えられ、日本でも邪気を払い、一年間の無病を祈り、心身ともに健康を願い飲む、お正月ならではの酒である。

煎茶の初稽古では、清酒が席にでることがある。言うならば「お屠蘇」である。
昔からお茶は薬草の一種とされている。そのお茶と清酒の組み合わせは何度か体験させていただいているが、この日はまた珍しい煎茶の飲み方を学んだ。

お酒の中に菊花弁が並々と浸っている(写真)。そのお酒を急須にとり炉にかけ温める。いわゆる温燗である。それをいただく。
一煎目は、お酒に菊花弁のまろやかさが馴染み美味しい。
二煎目は、同じように菊花弁が浸かるお酒を急須にとり炉にかけ、そこに煎茶葉を入れ少し温める。この組み合わせは、今までに賞味したことのないまろやかさが喉を覆う。
さらに三煎目が”妙味”。それは、湯のみに茶葉を直に入れ、それに菊花弁に浸かるお酒を少し沸かし注ぐ。これを口に含む、お酒の苦味、酸味に茶葉の甘味が絶妙な味を醸し出す。

一煎目から菊花弁と清酒そしてお茶の組み合わせである。
比類なき趣向であり、一茶庵ならではの愉しみ方を堪能させていただいた。
本来の「お屠蘇」をこのような煎茶席で味わえるとは思ってもみなかった。

今年も、元気で健康に過ごせるように、と。
新型コロナウィルスに打ち勝ち、日々通常を取り戻したいと、
今年は切に願を込めて―

レポート &写真 / 渡邉雄二   煎茶席/ 文人会一茶庵

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