このお軸を観て少々驚いた。滝のそばにモミジがあるのは珍しい。昔から水墨画や水彩画等で滝とモミジが一緒に描かれるのは少ない。
写真にあるこのお軸の滝には、紅葉したモミジがひときわ目立つように描かれている。この画はどこの滝をモチーフに描かれているのだろう、という疑問が生じた。南画特有の想像の世界なのか、とも。
この画を見て、この滝は「箕面の滝」では、と思った方はなかなかの滝通(?)である。箕面の滝も、確かこの画と同じように正面から見て右側にモミジがある。
日本の文人画で知られる江戸時代中期の画家、池大雅も中国の山水画を手本としつつも、実景から多くを学び取ろうとした。そのために、池大雅は日本全国を旅し滝を描いたことでも有名である。大阪にある箕面の滝もその一つである。
実は、この画のモチーフになっているのは中国河南省中西部の山にある「箕山(きざん)」の滝である。有名な箕山瀑布(滝)である。よく水墨画で描かれる有名な滝である。
その箕山の滝の写真をネットで探してみたが、お軸に描かれているような滝姿は残念ながら見つけられなかった。
このお軸に画の作者を筆者は知らないが、南画風に想像の中から生まれ描かれているのかもしれない。それを煎茶の席で、語り合いながら想像を膨らますのも実に楽しいものである。
レポート & 写真 / 渡邉雄二 お軸 / 文人会一茶庵所蔵

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